第6番 沓掛観音窟

沓掛観音窟

観音像安置する自然浸蝕窟

 早瀬川の源流、上郷町細越の沓掛地内。石灰岩地帯に発達した浸蝕洞窟で、坂上田村麻呂が観音像を祀ったという伝承から、早瀬観音窟とも呼ばれる。一説には中世に、現在の遠野、釜石地方一帯を支配していた、閉伊頼基夫人、乙羽姫が観音像を祀ったという。
 近くに銭鋳窟、蝙蝠窟があって、古くから三大窟ありといわれてきた。銭鋳窟の由来は、寛永初年(一六二四)松崎光興寺の住僧が、この窟内で贋銭を鋳造、名付けられたと伝えられている。
 観音窟にむかう途中には、右手に景観片岩がそびえるなど、仙人道全体が屈指の名勝地である。特にも秋の紅葉の時季は、峻山渓谷すべて錦絵そのものに染まる。昭和三十四年、ここにトンネルが貫通。東北初の有料道路開通で、幽山越えの伝説も、はるか古へのものとなった。

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