第5番 石上神社

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古くに餅取り神輿洗いが

 昔は餅取り、神輿洗いの神事があったが、今はなくなった。餅取りは三つ重ねの餅を神前に供え、祭式が終わると、餅を神輿に入れて近くの川に奉賀する。途中東西に分かれた若者達が、餅を奪い合うのである。取った方にその年の豊作が傾くという。餅取りが済むと、神輿は石上橋の下で洗われた。その当時、例祭は九月十八日だったが、今は八月七日に変わっている。
 石上山の麓に祭神富津魂命が鎮座、のちに伊邪那美命と稲倉魂命が加わり、三柱が祀られている。文治年中(一一八五―一一八九年)阿曽沼入部に伴って勧請。後南部家に代わっても崇敬深く、神刀(銘宝寿)一振りを奉納、名宝は今も存在する。石上は古い民間信仰の万物神が、石崇拝に転化したとも考えられる。
 神霊住む御山は早池峰、六角牛と共に遠野三山と呼ばれている。山険しく谷深く、神社境内は樹木繁茂して、森厳を今に極めている