第3番 早池峯神社

末寺20社持つ格式

 鳥居、山門をくぐって神殿まで、およそ百メートルはあろうか。たどる両側には杉、桧などの老大木が鬱蒼と続く。昼なお暗い、古色蒼然とした神殿への道である。
 大同元年(八〇六年)春三月、来内村の四(始)角藤蔵が神霊を拝し、早池峰山大権現の宮を建てた。境内には奥宮も置かれている。ここにまつわる遺跡、名跡としては修験場「又一の滝」、「河原の坊」、「大横通り」、「天狗のすべり岩」などがあって、神秘的な話が伝わる。霊山早池峰を祀る神社は末寺二十社を持ち、高い格式を有し、往時祭事には多数の人出で賑った。
 昔は古例として、一年に七回の神事を行なったが、今は六月十八日の一度。珍しいのは近くの祓川(滝川)で神輿を洗う祭礼で、これは京都祇園御霊会の洗い神事と同じという。御山に当たる標高一、九一七メートルの早池峰山は、県内では岩手山に次ぐ高峰である。
 六角牛、石上(神)と共に遠野三山とされ、夜間をかけてこの山々を踏破し、人々の安全や暮らしを祈願した風習が、近年まであった。また集落の人達で踊り継いでいる、「早池峰神楽」があって、数年前に神楽殿も造られた。

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早池峯神社は神社なのに山門があり仁王像が安置されている。
これは、明治以前は妙泉寺という寺だったためということである。