第25番 松崎観音堂

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古びた石段いかにも古堂

 草創は、大同二年(八〇七)といわれ、麦沢山松崎寺と号した。本尊は、十一面観音像で、円鏡を御影にした金物の物体であったという。嘉祥四年(八五一)、慈覚大師が一木を持って、七体の仏像の観音像を刻み、うち一体が六尺(約一八〇㌢)の尊像だった。現存の本尊像は、古来伝統の立木像を偲ばせる、十一面観音像である。
 参道は長くはないが、杉などの大木に囲まれ、古びた石段が導く、いかにも古堂の趣がある。享保十三年(一七二八)には、西国三十三ヵ所観音像が、同十七年(一七三二)には、銅造り地蔵尊が奉納されている。町場に最も近い地形が幸いし、多くの参詣者が訪れ、厚い信仰があったようだ。今は地域ぐるみの取り組みで、環境整備が進み、往時の面影を取り戻しつつある。

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