第13番 程洞稲荷神社

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子宝願う婦人が参詣

 祠の中には、木製の荒削りの巨大コンセイサマが、願い事に献じた剣と共に鎮座している。コンセイサマは、金精様または金勢様とも書く。男性器を象徴化したもので、子宝を願う家庭の婦人が、この祠にしげく足を運んだ。「コンセイサマを祭れる家少なからず…」と、『遠野物語』にもあるように、昔はあちこちで見られたらしい。
 小さな腰枕を赤い布で作り、それに祠から一つ借りて用い、願いが成就すれば、二つにして奉納する習慣があった。また、腰痛を患ったときなどは、コンセイサマをなでて、その手で痛いところをさすると、治るとの信仰も、ある時代には盛んだったという。
 明和二年(一七六六)、当地方統治の祖阿曽沼氏に連なる一族の者が勧請し、倉稲魂命を祀ったと伝えられる。境内は老杉に囲まれ昼も仄暗い。ここには冷泉があって、ひところ盛夏の頃には、納涼の客も多かった。例祭日は六月九日だが、いまは訪れる人とて見られず、旅愁のスポットでもあろうか。

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